夢日記 ガラスの温室と人魚
私はガラス張りの温室の前にいた。強い日差しが外壁に反射してまぶしく、中に何があるか見えない。
「動物園に来たの?」
いつのまにか隣に1人の女の子がいた。色黒できりりとした雰囲気。初対面だが不思議と昔会ったことがあるような懐かしさを感じた。
「私が案内するよ」
××と名乗る女の子に連れられ歩き出すと似たようなガラス張りの温室が沢山現れた。動物園という通り、それぞれ違う動物が入っている。ライオンやカバやシマウマがいた。たまに何もおらず植物だけが入っている温室もあった。
たくさん歩いて疲れを感じた頃、温室の列が途切れ大きな広場に出た。中心にひょうたん型の池がある。中に複数の人間がいて水を掛け合って遊んでいた。
「見て、人魚」
××が指差すと彼らは一斉にこちらを見た。皆色が白い。少し青みがかった肌の質感はこの天候に不似合いだった。水面が揺らぐと腰から下が沢山の鱗で覆われているのが見えた。鱗はガラスのように水の中できらきら光っている。
改めて見ると池は人魚に対して明らかに小さかった。これは人ではなく展示されている動物なのだ。そう気付いたとき暑気当たりにも似た寒気がした。