夢日記 2023/03/17

昼寝をしていると金縛りにあった。

意識ははっきりしているのに体はぴくりとも動かない。板の中に埋め込まれた釘のように隙間なく空間に押し固められている。

耳に子供の笑い声がした。子供が何人か布団の周りで遊び回っている。

そのうちわたしの身体の上を走り回る。重さまで感じるのにやはり動くことができない。

意識が少し途切れて、再び覚醒すると子供はいなくなっていた。

その代わり枕元に気配を感じた。

頭の中に、甲冑を付けた男が自分を見下ろしている情景が浮かんだ。

ご先祖様なのだろうか。殺気は感じないがやや居心地が悪かった。

どのくらい経ったか分からない。突如体の制御権が戻って来た。

指から神経が体全体に巡っていく。手のひらを開いたり閉じたりして感覚を確かめた。

首から上も動かせるようになったのでゆっくりと頭から起き上がった。

どうやら食後の浅い眠りが金縛りにつながるらしいと分かっているのに繰り返してしまう。眠るのは夜だけにするべきなのだろう。

夢日記 2024/03/14

昔博物館で能面を見たことがある。

女の面だった。

なめらかな木肌に浮き上がった唇は今にも話しかけてきそうな生々しさがあり、ふとしたときに幾度となく思い出した。

ある夜、一度寝入ってから深夜に尿意を感じ起きた。

トイレを済ませ、戸を閉めようとしたらそこに能面が張り付いていた。

闇の中でうっすらと光っている。

少し開いた唇の中にはちまちまとした白い歯が並んでいた。

恐ろしさよりもどことなく美しいと感じ、しばらく見つめているとふっと消えた。

あれからしばらく経つ。そろそろまた現れてくれないだろうか。

夢日記 2024/03/13

人のいない夜明け前のオフィス街を歩いていた。

突然「何か来る」という直観を覚えた。

追い付かれる前に逃げなくては。スーツなので手足が上手く動かないがとにかく必死で走った。

少し開けたところにアンテナのついた電波塔のようなビルがある。

開いた自動ドアから入り螺旋階段を駆け上がった。

階段の終わりは屋上だった。見下ろすとビルの下に何匹かの熊がいてあたりを嗅ぎまわっている。

まさかここまでは上ってこないだろう、そう思いながらも膝が震えるのを感じた。

東の空がだんだん白んでくる。日の出が近い。